僕の見立てでは10時間くらいかな

Hiekichi2006-03-28

日経コンピュータ『実態は「町のパソコン教室」以下 これでよいのか!高校のIT教育』

 2年前から公立高校で教科「情報」を教えている。それまでの15年間、生物を担当していたが、校長の鶴の一声で“転職”させられた。2003年から必修になった「情報」の教員免許を持つ先生を確保する必要が生じ、私に白羽の矢が立ったようだ。
 パソコンはなんとか電子メールを使えるぐらいの私だが、情報の教員免許は簡単に取得できた。夏休みに3週間、講習に通うだけですんだ。最初は、「アルゴリズム」や「IPアドレス」といった耳慣れない言葉の洪水に焦ったが、「修了試験もなにもない」と聞いて安心した。その後は、我慢して机に座っているだけで、本当に免許をくれた。

 あれから2年。授業はなんとかこなせている。教科書には「情報の伝達」とか「情報の統合」といった、仰々しいタイトルが並んでいるが、要はワープロ検索エンジンの使い方を説明するだけ。生徒にはパソコンを使った“実習”をやらせていれば、週2コマ(100分)は、あっという間に過ぎる。
 もっとも、まじめに授業を受けている生徒はほとんどいない。パソコン・オタクの生徒は、勝手に何かをやっている。一方で「情報は大学入試には関係ない」と、英語や数学の“内職”に励む生徒もいる。私が言うのも何だが、高校におけるIT教育は、これでいいのだろうか――。

 まあ1年前の記事なんですが、1年経ってちょっとは改善されたのだろうか? 結局 他の科目も同じなんだろうけど、上っ面を(本当はその科目内容を好きでも無いような先生が)教える*1だけでは、逆に嫌いになるというか本質の楽しい部分とか大事な部分に気付けない、逆に見失う原因になるだけでしょう。これじゃ将来 IT業界に進んでエンジニアになりたいという人が減少するのも当然ですよね。「情報」の教育が日本の「情報産業」を崩壊させているような気がします。
 このWebページには抜粋されていない本誌に載っている内容では更に、『アルゴリズム理論などを学ぶ情報Bという科目だが、「プログラミング言語の習得が目的とならないように と学習指導要領に書かれている」ため、机上でのフローチャートを学ぶだけ』とか『IT産業に力を入れているイスラエルでは、すべての高校生が2種類のプログラミング言語C言語などの手続き型言語と、Prologなどの非手続き型言語)を学ぶ。』とか興味深い事が書かれています。「言語に習熟」なんてのは当然無理ですが、「プログラミングの本質と楽しさを知る」なら8〜10時間位の学習でできそうな気がしますけどね、ただし集中授業で。学習項目として取り入れればいいと思うけどなぁ。そんで、更に興味を持った人が大学のIT系学部などに進学するようになれば、日本も安心*2なんですが…

*1:教えるという言葉が正しいか?やらしてる だけ?

*2:当社比