渡辺崋山の教え

■商人八訓■
一.先ず朝は、召使いより早く起きよ
ニ.十両の客より百文の客を大事にせよ
三.買手が気に入らず、返しにきたならば、売る時より丁寧にせよ
四.繁盛するに従って、益々倹約せよ
五.小遣いは一文より記せ
六.開店の時を忘れるな
七.同商売が近所にできたら懇意を厚くして互いに勤めよ
八.出店を開いたら、三ヵ年は食糧を送れ


■八勿の訓■
一.面後の情に常を忘れるなかれ
二.眼前の繰廻しに百年の計を忘れるなかれ
三.前面の功を期して後面の費を忘れるなかれ
四.大功は緩にあり 機会は急にありという事を忘れるなかれ
五.面は冷なるを欲し 背は暖を欲すると云うを忘れるなかれ
六.挙動を慎み 其恒を見らるるなかれ
七.人を欺かんとする者は人に欺かる 不欺は即不欺己という事を忘れるなかれ
八.基立て物従う基は 心の実という事を忘れるなかれ
【覚書】